Concept
     
 

About My Work and Its Conceptual Background

作品は、2つの相対的要素から成り立つ。
1つは、あたかも都市の様な又は建造物を連想させる構造体の箱状部分で、個を取り巻くものとしての存在である。それは公的要素としての象徴であり制度・習慣といったものを内在し、重圧的な圧迫感といった外的役割としての概念的意味合いの領域である。

街並みを想わし単純化された集合体である箱を連立配置することにより圧制された場を作り、その漠然とした区域こそが個と対峙する物の存在となる。
もう1つは、箱状部分に覆い隠された自己の痕跡を提示する写真部分で私的な事柄を個人の内的要素とし、日常というカテゴリーの中での自己の記憶によるものである。ある社会構造の中で存在する個としての領域で、記憶は常に変貌し再生される。個とは、特殊的側面を帯びているものであり写真には自己の中で個別化された出来事が写し出されている。

この様に私的ドキュメントが公的要素と関わる中で、個を通して社会構造を把握し、その関係性から自己としての個を知覚する。

すなわち、システム化された社会構造の中で普遍的エレメントである個人と社会との関わりを概念化し、“日常の断片”というドキュメント的記憶を通して自己存在の定義づけをしていく。

 
     
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